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【ブログ・記事】「IT業界にいた人は使えない」なんていう人自身が使える人なのか?

ん~~~これはちょっと暴論な気もします。一応?IT業界?にいるんで考えてみようと思いましたので。

紹介する記事は「「IT業界にいた人は使えない」~二ノ宮良夫・ティーピクス研究所所長」です。

文章だけ読んで判断すると率直な意見として、、随分とまあ燃えそうな記事タイトルですね。
むしろ、こういう記事に起こした記者さん・・・う、副編集長様でしたか。逆に考えると炎上を含めてアクセス数が伸びて嬉しいのかもしれないけど。


ひとまず引用。

「うちの会社もソフトウエア開発者を必要としていて、経験者を中途採用したことが何度もありました。でも、みんなものにならない。やめてっちゃう。続いたのは長くて1年くらいかなあ」。


ティーピクス研究所の所長である二ノ宮良夫氏はこう語る。


おお・・・辞めていっちゃう。ですか。自分に落ち度はなかったんでしょうか。一切書かれてないのでわかりません。
辞めるのにはそれ相応の理由があるとは思います。「ここには自分的に未来がないな~!よし転職しちゃおう!」って思ったからそそくさと辞めたのかもしれませんし。
もちろん自分の実力とも見合わないって考えて辞めたのかもしれません。


IT業界の経験者を中途採用して長続きしなかった理由を二ノ宮氏は次のように分析する。


「IT業界の開発者(プログラマ)は紙の仕様書がまずあると考えている。仕様書に書かれたことをプログラムにするだけ。大きなロジックを考える力がない。私が持っているノウハウを口で伝えても、そこから自分で考えることがない」。


あー・・・多分、元々やってた仕事が、大きなシステムの一部分とかしか担当させてもらえなかったんじゃないでしょうか。その中途の人達。妄想ですけど。だから、システム全体を考えるとかが養われていなかったとか。。。

あとは、、そうですね「私が持っているノウハウを口で伝えても」とありますが、二ノ宮氏が専門用語をまくし立てて説明したとか。。。??

本当に会社のために力ある人材を育てたいのであれば伝える力がとても大事かなって思いますけど、それもここからでは読み取れません。自分で考えることが出来ないのは、多分理解していないからじゃないでしょうか。理解できていなければ深く考えることもできませんし。漠然としてならそれなりには考えられますけど、専門性の高い実装などを考えると、業界知識は必須ですし、何故このシステムが必要なのか、このシステムがあることによってどのように顧客満足が得られるのか説明したのでしょうか。わかりやすく。

それに、「紙の仕様書がまずあると考えている。」って言うということはもしかしてこの二ノ宮氏の持っているシステムには仕様書や設計書が無いと言っているような気もします。あるのは顧客向けのマニュアルだけでしょうか。よくある中小零細企業文化な気もしますけど、そういった所で働いている人はなんでも屋さんが多いので、「○○しか出来ません!」なんて言う中途採用者に対してお前は使えないって言うのも頷けなくもない。


でも、ただ「こういうシステムがあるから、システム全体を考えろ!運用フローを考えろ!」じゃないことを祈ります。もしそういう教育、ノウハウの継承を二ノ宮氏が行わなかったのであれば「IT業界にいた人は使えない」と断じる前に、自身がまずモノを伝える力を養うべきではないかと思います。(あくまでここから読み取ったもしも・・の話ですよ)なぜ、そのように感じたのかというと、二ノ宮氏も前線で動く技術者のようですから思ったのですが、技術者ってわりと人にモノを伝える力が弱い傾向にある気がするので(これは私が感じた傾向でしかありませんが)、塾の先生が生徒に教える気持ちでノウハウの基礎を伝える必要があるのでは?と思ったりします。

さて、ちゃんと伝える必要がある・・と書くと今度は、「ソレくらい感じ取れ!読み取れよ!」みたいな、暗黙知的な考え方だったり、体育会系的な仕事は盗め!ここは学校じゃない!俺は先生じゃない!みたいなのも語られ始めますが、いろんな人がいる世の中です。一度はきっちりわかるまで伝えてみてはどうでしょう。きっちり伝えないまま、曖昧な仕様理解でシステム実装される方が超困ります。「コードがドキュメントだ!」なんてのもよく言われたりしますけど、コードからサービス内容や顧客が満足する理由はほぼ読み取れません。(UIとかならなんとなくわかりますよ。バリデーションチェックもそうですし。)

ただし・・・そこまで伝えてもただ会社に来てぼや~っと仕事をしてる人なら解雇でいいかと思いますが、経営者側は面白みを伝えないといけない気がします。それで売上利益を出しているなら仕事内容の共感について伝える必要性はあると思います。


話がちょっと変わっちゃったかもしれないのですが、結局のところ”人がスグに辞めちゃう”のは経営者、上司、会社も原因じゃね?ってことで。

その結果、SEはプログラムを書けず、プログラマは仕様を書けない。顧客と営業とSEとプログラマの間で伝言ゲームと責任の押し付け合いと金の取り合いが続き、関係者は労力をさかれ、しかも顧客が喜ぶソフトウエアやシステムを作れず、IT業界を志望して入ってきた若者を「自分で考えることがない」開発者にしてしまったとしたら。我々は何か間違ってきたのではないか。

ん~中小零細企業の人たちはPMもSEもPGも兼用してるような人ゴロゴロ居る気がするんですが、大企業とか研究所はそうじゃないのかなあ・・・経験がないので言い切れないんですが。それと「顧客と営業とSEとプログラマの間で伝言ゲームと責任の押し付け合い」ですが、確かにそうですね、大きなプロジェクトなんかはまさにこうなります。でも仕方ないんです。発注元がありえない見積りで大企業にマルっと振っちゃうから、それを中小企業が”無駄に”中間に入って更に他の会社に小分けに仕事を分配する。そりゃ関連企業が増えるんですから伝言ゲームにもなりますよ。当然ですよね個々の会社は身を守ります。お金も欲しいし。
結局のところ苦労するのは下請けです。大企業は振るだけで中間搾取して大して仕事しませんし。(私が経験した内容を元に偏見で言ってますけど!)発注元も・・・悲しいかな、けっこう無駄に費用使ってることに気づいてないのか、気づいてるけど付き合いで大企業に振っているのか・・・。中小企業に振ったほうが低コストで同様の品質が作れるはずなんですけどね。理由は様々でしょうけど・・・。


次に「IT業界を志望して入ってきた若者を「自分で考えることがない」開発者にしてしまったとしたら。我々は何か間違ってきたのではないか。」ですが、おっしゃるとおりで間違ってるんじゃないでしょうか。伝える技術も何もないまま体育会系的思考で押し付けてきたツケでしょう。ただ「IT業界にいた人は使えない」と一括りで断じるのは如何なものかとは思いますけど。自分自身も”IT業界”の一端でしょうに・・・。それに大企業から中小企業へ転職してきたとするなら、業務の遂行方法が根本から違う場合もありますので、設計の出来ないプログラマなんてのは当たり前に居る気がします。そういうのはコーダー?キーパンチャー?ですかね。


ココの意見は記者さんの考えでしょうからそこから考えてみた場合、多分ですが、日経ソフトウエアさんがなにかシステムを作ろうとしたとしても恐らくですが信頼とか付き合いの問題で大企業に振るでしょうし、大企業は中小企業に作業を分配するでしょう。契約上2社以上挟むなって言ったとしてもそこで伝言ゲームが起こると思います。妙な仕様のままでカッチカチの要件定義書と基本設計書などの仕様書の納品義務を日経ソフトウェアさんは当然出しますよね。そんな中、そういったドキュメントしか書かないSEも当然いますし、その仕様書を元にプログラマが実装します。そういう状況を作り上げている原因は顧客にも大企業にもあるので仕方ないと思います。


また、この手のシステムは規模がでかいの恐れがあるので(勝手に想定します。)、細かいレベルで役割分担は必須です。そのためには仕様書が必要です。ブレますから。個々が勝手に仕様考えてドキュメント書かないで実装されたら困るじゃないですか。一人の人間が超絶大規模システムに対して二ノ宮氏が言う”大きなロジックを考える”のはなかなかしんどいです。時間的に。スケジュールは絶対に後ろにずらしてくれない大企業と顧客が存在するので、同じ括りで考えられても困ります。大事なのはそれぞれの調整役かなと。なんか飛躍してきたのでここで終わり。

二ノ宮所長はティーピクス研究所の代表取締役を息子さんに譲ったが、今でもプログラミングを続けている。TPiCSの中身を誰よりも知り、各種のプログラミング言語やデータベース管理システムを使い続け、技術をさびつかせていない。

そりゃそうでしょう。伝えずに自分でやってるんだからさびつきゃしません。ソレもソレでいいと思います。職人なんだろうな~この方は。自分のシステムですから今後も頑張っていただきたいです。しかし、仕様の継承技術が本人にないのであればそのシステムも長く続くかはわかりません。それに自分で組んでいるとなると、けっこうエグい書き方とかしてるかもしれません。仕様変更につぐ仕様変更でパスタが食べれそうな感じだから1年足らずで辞める人はお腹いっぱいで退職してるのかもしれないです。


あとは・・・会社的にはリスクな気もしますけどね・・・経営者が暗黙知含みでこのシステムを回しているとするならば。
前の記事の「あなたがいなくても仕事は回る」で書きましたが、正しく周囲にシステムを社員に伝えていることができているならば、既存システムを本人が頑張って回さなくても社員たちがみんなで運用保守してくれるはずです。その合間に経営者は新しいビジネスやソフトウェアを考案、開発できるんじゃないだろうかとか。。。


しかし・・・最後に一言言うとするなら、IT業界とは関係なく”本当に使えない人”も存在することは確かです。

とはいえ、、、私自身もは今のところ必要な人とされているとは思うのですが、私は本当に使える人なのだろうか。そんなのを考えると夜も眠れなくなります。
一気に書いたから支離滅裂かもしれんがイイや!